美術系の短期大学を卒業後、広告、デザインの世界で生きてきた私にとって、メイクアップとの出会いは突然でした。メイクアップのことがよくわからず、偏見もあった私が今こうしてメイクアップを生業にしていることは運命としか言いようがありません。「しかたがない。とりあえずやってみるか」とはじめたメイクアップですが、その力と奥深さに魅了され、舞台やブライダル、講師として後進の指導など順調にキャリアを積んでいくうちに「何か違う。メイクアップは特別な人のものではなく、一番必要としているのは一般の女性ではないか」と思うようになりました。メディアでメイクアップがよく取り上げられる時代にありながら、間違った情報も多く、日々必要とされる通常のメイクはほとんどと言って良いほど伝えられていません。プロとして培った本当のメイク術をわかりやすく簡単に、毎日の限られた時間の中で出来るものにし、そのメイク術が持つ力を一人でも多くの方々に伝えたい一心で、セミナーや個人レッスンを中心に活動してきました。メイクアップは情動に作用して、感情を豊かにします。そのままの自分が、何倍も美しくなった顔を鏡を通して見ることで自信につながり、内側からの力となり煌めいて、生き方までかわってきます。「本来の煌めく個性を表現する喜び」に触れ、心の底からの笑顔をみることが、メイクを伝えてきた私の一番の喜びです。卒業していったすべての生徒とのご縁を大切な宝とし、さらに一人でも多く自身の幸せを感じながら社会に貢献できる生徒を育成することがメイクアップアーティストとしての私の役目だと信じております。